医学まめ知識

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薬=くすり(1) 患者さんに安心して薬を飲んでいただくために・・・
 今日、病気治療の重要な役目をにない、治療の成否を決めるのは、薬をいかに有効かつ適切に使うかにかかっています。しかし、昔から「甲の薬は乙の毒」のことわざのように、薬の多くは化学合成剤で副作用があり、また使い方、飲み方、飲みあわせによって、それこそ薬にも毒にもなる「両刃の剣」の性格があります。確かに薬の使い方には注意しなければならないことがたくさんありますが、最近の薬はよく効き、副作用が少なく、すぐれたものが多いのも事実です。たとえば、高血圧や心臓病の治療などでは昔とくらべずっと薬による治療がしやすくなっています。今月から薬についてお話し、薬についての疑問点には薬剤師の先生のアドバイスをいただいてお答えしたいと思います。先ず第1回の今月は最も基本的な服用回数と服用時刻についてお話し、正しく薬を飲む習慣を身につけて下さいますようお願い致します。
 薬を飲むと胃腸で吸収され、血液中に入り体を循環して、病巣(病気のところ)に達し、その効果を現します。しかし、薬はいつまでも体の中にとどまっておらず、肝臓で分解されたり、腎臓で排泄されて失われていきます。薬によってこの作用や反応が異なります。そこで、1日にどのくらいの量を飲めばよいのか薬によって違ってくるのです。多くの場合、薬を飲む時間は、1日に決められた量を確実に服用するために、食事の前後や就寝前になっています。1日3回、食後という指示が圧倒的に多いですね。これは飲み忘れ防止にもなります。1日3回食後といわれても、食事をしなかったり、1日2回しか食べないときはどうするかという疑問をお持ちの方が多いと思います。健康のためには、食事はきちんと3回とってほしいのですが、食べない時は、牛乳を飲むとかクラッカーを食べるとかして薬を飲んで下さい。要は食事の回数ではなく、薬を飲む回数なのです。薬が体の中で有効に作用するために必要な濃度(有効血中濃度)を保つためなのです。最近では、薬が一度に溶けるのを防ぎ、作用時間を長くする工夫がなされた薬(徐放剤)が多く使われる様になり、1日に 飲む回数が減る傾向にあります。高血圧の薬などでは、徐放剤が多くなっています。
食 後 食 前 食 間 就寝前
食事して30分以内に飲む。胃を守るため。 食事の30分から1時間前に飲む。 食事してから約2時間たって。食事中ではない。 就寝の30分前に飲む。
東雲堂だより(1997.4)から 鈴木孝雄