医学まめ知識

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薬=くすり(2) 薬の吸収・分布・代謝・排泄について
吸収:例えば薬を飲むと胃や腸から吸収されて血液の中に入ります。吸収された薬の濃度を「血中濃度」と言いますが、投与の仕方で推移に大きな違いがあります。最も多い経口投与(のみぐすり)ではなだらかな山ですが、注射では急速に血中濃度が高まりますので、急いで治療効果を上げるときに適しています。血中濃度で重要な事は、薬が有効に作用する濃度(有効域)にあることです。この有効域に濃度が保たれる事が、薬の有益性を最大に引き出すポイントです。2回分を1度に飲むと血中濃度が高くなり、有効域を越えて副作用・中毒域になりますので、有害な副作用が出やすくなります。また勝手に用量を減らすと、血中濃度が有効域に達せず、飲んでも全く効かないばかりか、病気が悪化する危険性があります。患者さんの年齢・性別・体型・病状などで薬の量や回数がきまるのですが、これを守らずに勝手に服用するのは危険なことがこれでおわかりのことと思います。「加減して飲む」とおっしゃる患者さんがよくいらっしゃいますが・・・・・。禁物です。
分布:血中に吸収された薬は、いろいろな臓器や組織に運ばれ、効力を発揮します。これは、薬が作用部位に到達した量と、そこでの薬と体との感受性によって効くか効かないか、副作用を起こすかが決まります。
代謝:効力を発揮した用済みの薬は、主に肝臓で酵素によって分解されます。それが代謝です。お年寄りで代謝力が低下したり、肝臓の機能低下や薬の相互作用などでへんかして代謝が遅れ、思わぬ副作用を起こすことがあります。
排泄:肝臓で代謝された薬や代謝されなかった薬は血液で運ばれ、腎臓から尿として排泄されます。腎臓機能が悪い人やお年よりでは、なかなか排泄されずに薬が血中に残り、副作用を起こすことがあります。
東雲堂だより(1997.5)から 鈴木孝雄