医学まめ知識
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視力低下について2 <老眼について>

 最近は、とんと見かけなくなりましたが、距離が手動のカメラ、レンズを回すとピントが合ったりボヤケたりしました。ずっと遠くから結構近くまでピントを合わせることが可能です。今のカメラはちょっと前後に迷いはしますが、ほぼ自動的にピントが合います。人間の眼はといえば最新のカメラよりもっと高速にピントが合います。ただし、ピントを合わせる仕組みがちょっと違います。カメラはレンズを前後に動かしてピントを合わせますが、人間のレンズ(以下、水晶体という)は厚みを変えることで、その力(レンズの度数)を変えます。

 水晶体は柔らかくなくては、厚みを変えることが出来ません。ところが、年をとると身体と同様に水晶体も堅くなります。すなわち、形を変えられなくなってくるのです。そのために、ピントを合わせることの出来る範囲が狭くなります。これを老眼といいます。近くが見えないことがすなわち老眼ではありません。また、老眼鏡がいらないからと言って近視の人が老眼にならないとは言えないのです。だって、遠く用のメガネを掛けたままでは、近くは見えにくいんですよ。ね、老眼でしょ。

 ピントを合わせられる範囲を調節域、その幅を調節力と言います。ちなみに、10才で12D(ジオプターと言う調節力の単位)、20才で9D、30才で6D、40才で4D、50才で2D、60才で1D、70才で0Dとなります。無理をしても良いことはありません。新聞が好きな方、読書が趣味の方、自分にあったメガネをお掛け下さい。

しかの眼科・鹿野 道弘