医学まめ知識

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 高血圧症、日常生活での注意点


血圧は体の状態に合わせて絶えず変動しています。これも体の調節をとるためには必要なことだからです。脈拍や体温もそうですが人間の体は良くできていて自分がいちいち意識しなくても体を調節する働きがいろいろあります。ホメオスタシス(生体恒常状態)と呼ばれるものですが、血圧もその一つとして考えてもいいと思います。
よく頭が痛いから血圧が高いのかなと心配されて外来を受診される方がおられますが、実際に血圧を測ってみてこちらがビックリするほど高いことは滅多にありません。もともと高血圧症はサイレントデジーズ(症状の無い病気)といわれるほどで高血圧症に特有の症状は殆どありません。健診などで血圧が高いなどと言われた途端に肩が凝ったり頭が重くなったりする人はありますが。健康診断は血圧が高くても気が付かない人など(血圧ばかりが目的ではありません)を見つけて早く治療をしてもらうことを目的の一つとしています。

血圧は勝手に高くなったりしません。ですから、普段は血圧が高くないのに高くなった場合はどうして高くなったのかを考えなければなりません。その時に頭痛などがあったら血圧が高いから頭が痛いのではなくて、頭が痛くなるような体の状態があるから血圧も高くなっているのだと思った方がいいでしょう。例えば寝不足が続いているとか、何か気になっていることがあるとか、頭痛の種がないのかを考えてみましょう。血圧のためだとばかり思っているとそういったほかの原因に思い至らないことが多いものです。

それでは血圧が高くならないようにするための日常生活における注意点についていくつか述べてみましょう。

  1. 十分な睡眠をとる。:血圧だけでなく健康を維持するためには必要なものです。
  2. 適度な運動を心がける。:最近、朝方散歩をされている人たちが増えてきています。過激な運動は薦められませんが、自分の体調に応じた運動は新陳代謝を活発にして若さと健康を保ってくれます。
  3. ストレスをさける。:現代の生活においてまったくストレスを感じないでおられる方は少ないと思います。ストレスをさけるというよりはストレスと上手に付き合うことが大事になってくるかもしれませんね。ストレスがあってもうまくやり過ごす、趣味を持ったりして発散するようにしましょう。
  4. 煙草をやめる。:煙草は百害あって一利なしと言われますが本当です。でも気分転換にとか、気持ちが落ち着くなどの効果があるじゃないかとの愛煙家の声が返ってきそうですね。しかし、良く考えてみましょう。気分転換や気持ちを落ち着かせるためにわざわざ毒を飲む人はいないと思うんですが。いや毒でもいいんだという人は構いませんが煙草を喫う人は周囲の人たちにも迷惑をかけているのだということを忘れないでもらいたいと思います。煙草が肺癌の大きな原因の一つであることはいろいろなところで取り上げられていますので皆さんもご存知のことでしょう。しかし煙草はそれだけではなく心臓にも、そして血圧にも悪い影響をもたらします。煙草が体の中に入ると動脈が収縮します。血管が細くなって血液の流れが悪くなります。これが血圧を上げることになるのです。

長くなってしまいますのでこれくらいにしておきましょう。その他に、熱過ぎるお風呂には入らないとか逆に寒さに気を付ける、便秘をしないようにするなどにも注意が必要です。食事も大切ですね。食事の取り方については改めて別なところでお話したいと思います。


医学まめ知識から 岩本憲夫